「英語のリーディングはそこそこ点数が取れるのに、リスニングになると途端に点数が下がる……」
「何と言っているのか全く聞き取れず、勘でマークしている」
このような悩みを抱えている受験生は非常に多いです。
かつての「センター試験」時代は、筆記200点・リスニング50点という配点でしたが、現在の「共通テスト」ではリーディング100点・リスニング100点(※大学により傾斜配点あり)となり、リスニングの重要度は劇的に増しています。
つまり、リスニングを制する者が共通テスト英語を制すると言っても過言ではありません。
この記事では、リスニングが苦手な人が陥りがちな「間違った勉強法」を修正し、短期間で確実にスコアアップするための具体的な学習ロードマップを解説します。
なぜ「読める」のに「聞けない」のか?リスニング対策の重要性
受験生の典型的なパターンとしてよく見受けられるのが、「筆記試験(リーディング)では高得点を取れるのに、リスニング対策を後回しにしていたため、総合得点が伸び悩む」というケースです。
多くの受験生は、単語帳や長文読解には多くの時間を割きますが、リスニング対策は「通学中に聞き流すだけ」といった曖昧な対策で終わらせがちです。しかし、総合得点である程度のレベル(難関国公立やMARCH以上)を目指すには、リスニングの対策も筆記試験と同様に「座学」として時間を確保することが必要不可欠です。
まずは、自分の現在のレベルに合わせて、適切なアプローチをとることから始めましょう。
【レベル別】リスニング攻略の具体的ステップ
リスニングの能力は、階段を上るように段階的に向上します。現在のあなたの実力(模試の得点率)によって、やるべき対策は異なります。
1. 得点率が5割以下(50点未満)の人:まずは「一冊」を極める
普段の模試での得点が5割(100点満点中50点)以下の人は、まだ「英語の音」そのものに耳が慣れていないか、基礎的な単語の発音を間違って覚えている可能性が高いです。
この段階で過去問を解きまくっても、効果は薄いです。まずは、共通テスト英語リスニングの初心者向け参考書を1冊だけ購入し、それを徹底的にやり込んでください。
【ここが重要!】参考書の浮気は厳禁
リスニングも他の科目と同様に、あれこれと何冊もの参考書に手を出すよりは、「これだ」と決めた1冊に時間を掛けて徹底的にやる方が、学習効果は間違いなく高くなります。
同じ教材を何度も繰り返すと、「放送内容を覚えてしまう」という不安があるかもしれません。しかし、リスニングの初期段階では、むしろ「内容を覚えるほど聞き込む」ことが正解です。
- 単語がどのように連結して聞こえるか
- どの音が消える(リダクション)か
- イントネーションはどうなっているか
これらを脳に刷り込むためには、同じ音声を何度も何度も繰り返し聞くことが最も近道なのです。
2. 得点率が6割前後の人:過去問とスクリプトの活用
「60点前後は取れるけれども、それ以上の得点となるとなかなか壁が破れない」
このレベルの人は、英語の基礎体力はありますが、試験形式への慣れや、細部の聞き取りが甘い傾向にあります。
この段階の人は、共通テスト(またはセンター試験)のリスニング過去問を用意して、それを何度も繰り返し解いてください。
ただし、解いて丸付けをして終わりではありません。最も重要なのは「見直し」です。
必ず「スクリプト(台本)」を確認する
見直しをする際は、必ず音声のスクリプト(英文)を参照しながら、「自分が聞き取れなかった箇所は何と言っていたのか」をしっかりと確認してください。目で見てわかる単語なのに耳で聞くとわからなかった場合、それは「自分の想定していた発音」と「実際の発音」にズレがある証拠です。
こうした地道な作業の繰り返しが、6割の壁を突破し、8割・9割へとリスニング能力を向上させる唯一の方法です。
「音のズレ」を修正する最強のトレーニング:シャドーイング
参考書を一冊やり込む際、あるいは過去問を復習する際、ただ漫然と聞いているだけでは効果は半減します。リスニング力を劇的に上げるためのトレーニング、それが「シャドーイング」です。
自分の発音とネイティブの発音を一致させる
人間は「自分が正しく発音できる音は、確実に聞き取れる」という特性を持っています。
逆に言えば、聞き取れない原因の多くは、「自分が脳内で記憶している単語の発音」と「実際のネイティブの発音」が合致していないことにあります。ここにズレが生じていると、当然何度音声を聞いても理解することはできません。
例えば、「Check it out」を「チェック・イット・アウト」と覚えていては、ネイティブの「チェケラ」という音には反応できません。このズレを修正するために、シャドーイングを行います。
効果的なシャドーイングの手順
シャドーイングとは、聞こえてくる音声のすぐ後(0.5秒後くらい)を影(shadow)のように追いかけて発音する練習法です。
- まずはスクリプトを見ながら聞く
内容を100%理解します。知らない単語や文法がない状態にします。 - スクリプトを見ながら被せて読む(オーバーラッピング)
音声と同時に発音し、スピードやリズム、強弱を完全にコピーします。 - スクリプトを見ずに、音声だけを頼りに発音する(シャドーイング)
耳から入ってくる音だけを頼りに、自分の口を動かします。
このトレーニングを繰り返すことで、英語特有の「音の繋がり(リエゾン)」や「音の脱落」が体感として理解できるようになります。
「時間がない!」直前期の集中トレーニング
リスニング学習の理想は、毎日コツコツと少しずつ聞いて耳を慣らしていくことです。しかし、部活の引退が遅かったり、他の科目の対策に追われたりと、どうしてもテスト本番まで時間が無いという人もいるでしょう。
そんな人は、直前の1ヵ月間で集中してトレーニングを行う方法も非常に効果的です。
「耳のチューニング」を合わせる
英語の音を聞き取る回路は、使わなければすぐに錆びつきますが、集中的に油を差せば短期間でも回るようになります。
直前1ヶ月は、以下のようなスケジュールを組んでみてください。
- 朝の通学時間:昨日やった問題のシャドーイング(口パクでもOK)
- 勉強の開始時:必ず最初にリスニングを15分行い、「英語モード」にしてからリーディングに入る
- 就寝前:新しい問題を解かず、聞き取れた音の確認をする
短期間であっても、「英語を聞かない日を作らない」こと、そして「大量の音声を浴びる」ことで、脳を無理やり英語対応モードに切り替えることは可能です。
まとめ:リスニングは「才能」ではなく「技術」
共通テスト(旧センター試験)のリスニング対策について解説してきました。
重要なポイントを振り返ります。
- 配点が高いので対策は必須(逃げない!)
- 初心者はあれこれ手を出さず、1冊の教材を徹底的にやり込む
- 6割の壁を超えるには、過去問のスクリプト分析が鍵
- 「自分の発音」と「ネイティブの音」のズレをシャドーイングで埋める
リスニングは「耳が良い・悪い」という才能の問題ではありません。「知っている音かどうか」という知識と経験の問題です。
正しいトレーニングを行えば、試験本番までの残り期間が短くても、点数は必ず伸びます。今日からイヤホンを耳に入れ、志望校合格に向けて「音」の攻略を始めましょう。
